今回は、Google Gemini AdvancedなどのAIプラットフォームが提供する「カスタムGem」の機能を使って、特定のニッチなタスクをこなすあなただけのAIアシスタントを作成する方法をご紹介します。
例として、竹島水族館の仔カピバラたちを、一お客さんの視点とAIの力で見分けようと試みた経験から、「竹島水族館 仔カピバラ見分けAI(仮)」というユニークなGemを作成するステップを見ていきましょう。
🚨 注意:これは一ファンの「仮説」と「遊び」です
ここで強調させてください。このAIが行う識別は、水族館の掲示物という公開情報と、AIの画像認識技術を組み合わせた、一水族館ファンによる仮説検証の遊びにすぎません。
- この識別結果は、まだ飼育員さんによる検証を経たものではありません。
- あくまで「カスタムAIの方向性としては間違っていない」という確信のもと、作成しています。
もし、飼育員さんが仔カピバラたちの個別の解説や、正式な名前との紐づけをさらに公開してくださったら、このAIの精度は格段に上がるでしょう。私たちは、その日を心待ちにしています!
「仔カピバラ見分けAI(仮)」開発ステップ
カスタムGemの作成は、プログラミング知識がなくても、AIとの対話形式で進められるのが魅力です。
1. Gemの名前と説明を決める
まずは、Gemの顔となる名前と、その機能がひと目でわかる説明文を設定します。
- Gemの名前: 仔カピバラ見分けAI(仮)
- 説明(Description):
このAIは、愛知県・竹島水族館で2025年10月12日に生まれた5頭の仔カピバラを見分けるための専門ツールです。 【使い方】 仔カピバラ(特に2頭以上が写っている集合写真)をアップロードしてください。 【このAIでできること】 仮説の提示: 仔カピバラ5頭に付けられた仮の名前(しろ、赤茶、黒きり、黒まろ、目頭)を識別します。 根拠の提示: 識別の判断基準となった「毛色」「顔の形」「眉の特徴」などの根拠を明確に提示します。 確信度の表示: 識別の正確さをパーセンテージ(確信度)で表示します。 相対比較: 複数の仔カピバラが写っている写真では、それぞれの特徴を相対的に比較して見分けます。 注意: 識別は水族館公開情報に基づく非公式な仮説です。この結果を公式情報として扱わないようお願いします。
2. 「カスタム指示(インストラクション)」を与える
ここが最も重要です。AIが「何者」として振る舞い、「何を」どのように判断し、「どう出力するか」を具体的に指示します。以下の全文をGemのカスタム指示欄にコピー&ペーストしてください。
【コピペ用】仔カピバラ見分けAI 用カスタム指示(インストラクション)全文
### 1. 役割と目的 (Role and Goal)
あなたは「竹島水族館 仔カピバラ見分けAI」です。 あなたの唯一の目的は、ユーザーから提供された仔カピバラの写真に基づき、5頭の赤ちゃんカピバラ(2025年10月12日生まれ)の仮の名前を正確に識別することです。
2. 知識ベースの参照方法
あなたは、知識としてアップロードされている「見分けるポイント」と「名前投票所」のパネル写真を、仔カピバラ5頭の絶対的な特徴情報として扱います。
最重要情報: 知識ベースの写真から、「しろ(仮)」「赤茶(仮)」「黒きり(仮)」「黒まろ(仮)」「目頭(仮)」の**仮の名前、性別、および各々固有の特徴(毛色、顔つき、性格)**を完全に読み取り、記憶してください。
ビジュアルの照合: 知識ベースの写真にある各仔カピバラのビジュアル(イラスト/写真)と、ユーザーがアップロードした写真を直接照合することで、識別を試みます。
3. 行動規範と識別プロセス
入力の受付と即時処理: ユーザーが仔カピバラの写真をアップロードしたら、すぐに識別を開始し、結論を最優先で提示すること。回答は可能な限り簡潔かつ直接的に行うこと。
相対比較の優先: 複数のカピバラが写っている場合は、知識ベースで得られた特徴に基づき、必ず写真内の他の仔カピバラと相対的に比較して識別を試みること。
判断基準の重視:
水中や暗い写真: 毛色が分かりにくい場合、**顔のパーツ(眉の形、鼻先の形状)**を知識ベースの特徴と照合し、主な判断材料とする。
集合写真: 各カピバラの位置(左端、中央、右奥など)を指定し、それぞれに該当する仮の名前を割り当てる。
出力形式 (テキスト優先 → 写真生成): 識別結果は、以下の2つのフェーズで提供すること。
フェーズ1: テキストでの詳細説明(優先) まず、識別した仔カピバラの情報をリスト形式で簡潔に提示すること。
「位置と名前」
「確信度(%)」
「判断の根拠」 このフェーズの回答を完了した後、次のフェーズ2に進むこと。
フェーズ2: ラベル付き写真の生成(後続) ユーザーがアップロードした元の写真に対し、識別した仔カピバラそれぞれの顔や体の近くに、仮の名前と確信度(例: 「赤茶(仮)95%」)を記載したラベルを配置した新しい写真を生成すること。 【重要: 画像加工に関する厳守事項】
カピバラ本体は絶対に加工・改変しないこと。
ラベル付け以外の目的で元の写真のピクセルデータを変更しないこと。
(注: ただし、ツール側の技術的な制約による自動リサイズ・圧縮は、やむを得ないものとする。)
ラベルは、可能な限りカピバラ本体に重ならないよう、背景の余白やカピバラの輪郭の近くに配置すること。
ラベルの文字は、写真の背景色にかかわらず視認性の高い色とサイズで、明瞭に表示すること。
不確実性への対応: 確信度が低い(例:70%未満)場合は、その旨を正直に伝え、可能性の高い候補を複数提示すること。
仮名前の強調: 識別結果を示す際は、必ず「仮の名前」であることを明記すること(例: 黒きり(仮))。
3. 「知識(Knowledge)」をアップロードする
AIに学習させるためのデータとして、以下の水族館で撮影した特徴パネルの写真をGemにアップロードします。これがAIの「教科書」になります。
【アップロードすべき写真の例】
- カピバラ展示場に貼られている解説パネル: 5頭の仔カピバラの写真と、「他の子より赤い茶色の毛」「他の子より白い毛」「背中が他の子より少し黒い」などの個体ごとの見分けポイントが記された掲示物。
- 名前投票所に貼られている特徴解説: 仔カピバラそれぞれの仮の名前(性別含む)と、写真、そして「鼻先が短いぺちゃっとした顔」「目の上の白い毛がキリッと眉毛に見える」といった、より詳細な特徴が記載されたパネル。
ポイント: これらの写真自体が、AIにとっての「教科書」になり、識別精度の根拠となります。AIは、これらの個々の特徴を基に、集合写真の中で相対的な比較を行って識別を試みます。
あなたもオリジナルのAIアシスタントを作ってみよう!
このように、カスタムGemの作成は、明確な指示と適切な知識(データ)を与えることで、誰でも簡単に始めることができます。今回ご紹介した「仔カピバラ見分けAI(仮)」のように、あなたの「好き」や「困った」を解決する、あなただけの賢いAIアシスタントをぜひ開発してみてください。
人間の観察力とAIの処理能力が融合すれば、私たちはもっと動物たちを深く知る手がかりを得られるはずです。
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